経営者としての自覚と覚悟そして責任を持つ
- 青葉支部 支部長 阿部 明雄氏 (株)ティーティーシー 代表取締役
- 自己紹介
- 当社は平成13年創業、社員数は7名。事業内容は業務ソフトウェアを中心にソリューションを地域に展開するSI会社です。情報システムに関する地域の様々な課題やニーズにお応えしています。具体的には、業務ソフトウェアの開発及び付帯ハードウエアの販売・設定・サポート・ネットワーク(LAN・WAN)提案・構築・サポート・業務パッケージソフトウェアの販売・サポート・業務コンサルティング及び運用支援サポートを行なっています。
- 同友会に入るきっかけ
- 平成13年に前身の会社から事業を引き継ぎ、ティーティーシーがスタートしました。
私は、前身の会社で役員の立場でしたが、社長になろう、なるかもしれない等と考えたことは一度もありませんでした。その私が、前社長より突然指名を受け、社長になってしまったのですから困ったものです。
当時から低価格な業務パッケージソフト(既製品ソフト)が高機能化し、企業向け業務ソフト市場において拡大を続けていました。反比例して当社が得意とする個別ソフト開発(個別の企業の要求に合わせたソフト開発)は明らかに市場が縮小に向かっていました。会 社の誰もが、「何も手を打たなかったら市場の縮小と共に会社も無くなってしまう」という危機感を持っていました。何ら効果的な手も打てないまま時間だけが経過し私は一人で悶々としていたのです。
そんなある日、「阿部君どうした?元気ねぇな」と国分町のバーの常連の先輩(建設会社の社長)が声を掛けてくれました。そして「阿部君も勉強した方がいいよ」と同友会に誘ってくれたのです。その時の私は、藁にもすがる気持ちでしたから迷わず入会しました。 その方が、代表理事という立場で既に活躍していたことは入会してから分かりました。
- 同友会での学び?よい点は?
- それまでの私は、「業績が上がれば待遇や職場環境を改善できるから問題は全て解決し社員全員が幸せになれる」と信じていました。したがって常に頭の中は「数字」でした。数字を上げることを目的化していました。「数字が目的で何が悪い!」って感じです。もう開き直りです。
しかし会社の中は数字の話ばかりでギクシャクしていますし、そんなスタンスですからお客様の満足度も低下していきます。どんどん思いとは逆の方向に進んでいました。
そんな私が同友会に入会し一番強く心を動かされたのは「労使見解」です。「経営者である以上、いかに環境がきびしくとも時代の変化に対応して経営を維持発展させる責任がある」という文章です。何度読んでも心に響きます。
私は、最初にこの言葉に触れたとき、頭をぶん殴られたくらいの衝撃を受けました。それまでの私は数字を獲得するための手段に走っていた言わば「営業部長」でした。経営者としての自覚や覚悟など深く考えたことはありませんでした。何より先に「経営者としての自覚と覚悟そして責任を持つ」という考えが決定的に重要であることに気づかされたのです。私はこの言葉と会って初めて経営というもの意識し向き合う事ができたのです。
- 同友会に入り、自社の経営は、どう変わった?
- 会社の雰囲気が明るくなったと思います。同友会の仲間の会社から「Good & New」の話を聞き、当社でも朝礼の日課になりました。全員が、何でもいいから良かったことや新しいネタを考えて言わなくてはならないのですが、笑いが出たり質問が出たりして毎朝の楽しみになっています。
もうひとつは、仲間意識が強くなってきたと思います。社長も社員も社員同士も知恵と力を合わせて頑張ろうという雰囲気が出てきたように思います。会社経営が常に安泰という事はありません。当社は「全社一丸体制」を築き、様々な課題や難局を乗り越え発展し ていきたいと願っています。
- まだ、入会されていない人へ、おすすめの一言。
- 経営者である以上誰もが悩みや課題を抱えているはずです。同友会は、経営課題解決に役立つ多くの引き出しがあり、その引き出しは、様々な気づきを与えてくれます。そして同じ悩みを持つあるいは克服した先輩との出会いがあり学びがあります。
同友会は、論理的であってしかも人間尊重の考え方を貫いています。これは長年の歴史の中で先輩たちが苦労して築き上げてきたものなのです。これほど全方向的にバランス良く明快な考え方と理念、そして学びのメニューを持つ中小企業団体は他にあるでしょうか?
大事なことは、同友会が答えを教えてくれるわけではないということです。同友会で得た気づきと学びを自分に落とし込み、自社に置き換え、計画を立て、実行しなければ何も変わりません。失敗しても諦めずに、また気づいて学んで行動することで会社が少しずつ良 い方向に変わっていくものだと思います。是非とも私たちとともに学びましょう!
『会員の声』に戻る